軽井沢に暮らす人はもちろん、訪れる多くの人に愛されている「雲場池」。新緑の季節、そして紅葉の季節が特に人気で、その美しい景色は軽井沢の撮影スポットとして有名です。今回は、そんな雲場池の歴史や見どころなどをお伝えしたいと思います。
大正時代、水泳場やスケート場として整備され、人気スポットに
雲場池は、清澄な御膳水を水源とし、六本辻付近に水面をたたえる池。別名、「スワンレイク」とも呼ばれ、周辺のカラマツやモミジの木々がとても美しい、心が洗われる場所です。ちなみに軽井沢(浅間山)には、「大男デーランボー」と呼ばれる、浅間山をひとまたぎするほどの大男が住んでいたという伝説が残っていますが、この大男デーランボーの足跡が雲場池なのだそう。デーランボーは、イノシシを手捕りにし、岩をかまど代わりにして煮炊きをしていたと言われ、矢ヶ崎山の山頂近くにあるかまどに似た岩が、その跡だとも伝えられています。
雲場池は、大正時代に軽井沢の別荘地開発を手掛けた野澤源次郎が、雲場川をせき止めてつくった人造湖という記述もあるようですが、彼がこの地を手にするずいぶん前の明治44年の地図には、もはや雲場池は描かれています。
野澤源次郎の孫にあたる岡村八寿子さんが上梓された「祖父 野澤源次郎の軽井沢別荘地開発史よりによると、野澤源次郎の別荘地開発に大きな影響を与え、尽力した橋口信助(詳しくは「【軽井沢・あめりか屋】明治・大正期における西洋住宅のパイオニア」を参照)が大正6年に記した手記に、「…雲場川の流域を相して一大水泳場および冬期におけるスケート場を作ること、また雲場川左岸一帯の森林地を開拓して遊園地としてなす計画は現に着々として実行せられている。…」とあります。推察するに、当時の雲場池はそんなに大きな池ではなかったものの、このような整備を通じ、今のような広さになったのではないでしょうか。こうして雲場池は、人々が集う観光・プレイスポットになっていったのですね。
1周20分ほどの散策コース。
現在の雲場池は、1周20分ほどでのんびりと散策できるコースが整備されています。これは平成29年11月より平成30年4月にかけて整備事業が行われた結果。「より美しく、より綺麗に」の思いからリニューアルされ、上皇上皇后陛下も、来軽の際は、この雲場池の散歩を楽しまれているそうです。
雲場池周辺のレストランや観光スポット
旧軽井沢のロータリーから雲場池の周辺には、著名人由来の通りや、外国人墓地、美術館などの観光スポットが数多く点在していて、雲場池と併せた人気の観光コースとなっています。
レストラン
観光スポット
- 外国人墓地
- 脇田美術館
- 御膳水
- 六本辻(ラウンドアバウト)
- 鳩山通り 鳩山一郎の別荘があったことに由来。現在は鳩山由紀夫が所有
- 近衛レーン 近衛文麿の別荘があったことに由来。
- 大隈通り 大隈重信の別荘があったことに由来。
まとめ
雲場池は、軽井沢に訪れた際は、必ず立ち寄りたいスポットの一つです。ゆったりと景色を眺めるのもよし、撮影スポットを探しながら巡り、シャッターを押すのもよし。おいしい空気を吸いながら、ぜひ雲場池を存分に楽しんでください。
雲場池 アクセス
所在地 | 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢 |
駐車場 | 専用駐車場 普通車200台 料金500円 (※後払いの場合700円) |
トイレ | 池入口の左側にあり |